平成13年(行ウ)第150号 行政文書不開示処分取消請求事件

原 告  特定非営利活動法人情報公開市民センター
被 告  外務大臣

釈 明

平成14年10月31日
東京地方裁判所民事第2部 御中

被告指定代理人 野下智之
箕浦裕幸
蔵重有紀
高林正浩
伊原純一

 被告は、本書面において、平成14年10月2日の口頭弁論期日において裁判長からされた求釈明に対し、以下のとおり釈明する。
 なお、略称等については、本書面において新たに用いるほか、従前の例による。

第1 裁判長の求釈明
 外務省において、報償費の使用目的を情報収集等の事務、外交交渉等の事務及び国際会議への参加等の事務の3種に限定している根拠

第2 釈明内用
 我が国の予算上、報償費とは「国が国の事務又は事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の任務と状況によりその都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費」と定義されており(乙1号証の2)、大蔵財務協会「予算事務提要」も報償費について同様の定義を記載している。この定義は、我が国の予算において各省庁に共通の一般的定義である。したがって、外務省においても、報償費は、予算法令上は、このような報償費の一般的定義に沿っていれば、何らその目的を限定することなく使用することが可能である。しかしながら、被告準備書面(1)41ないし43ページで述べたとおり、外務省においては、報償費を「情報収集及び諸外国との外交交渉ないし外交関係を有利に展開するため使用する経費」に充てており(乙2号証、甲11号2ページ2,3行目)、報償費の使用目的に係る事務は、情報収集等の事務、外交交渉等の事務及び国際会議への参加等の事務に限定されている。これは、最も適切な報償費の運用を図るという観点から、報償費における予算要求及び計算証明に関する特例等を考慮し、報償費を上記のとおりの目的に使用することが適切であるとの外務省の予算執行方針に基づくものである。
 なお、このように外務省における報償費は、「国が国の事務又は事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の任務と状況によりその都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費」であって、「情報収集及び諸外国との外交交渉ないしは外交関係を有利に展開するため」に使用されるものであるから、前記3つの事務に関して支出される経費であっても、報償費の一般的定義に該当しない場合には報償費からではなく他の費目から支出されることとなる。