外務省報償費 情報公開訴訟第7回口頭弁論・傍聴記
 上記第7回口頭弁論は当初7月29日と決められていたが、被告・外務省側より立証作業資料の準備が間に合わないとして、口頭弁論の延期が要請された結果、大幅に延期され、10月2日(水曜日)11時30分より606号法廷で開催された。
 開廷に先立ち、24ページからなる立証資料を含む準備書面(5)が被告側より提出された。

出席者は
原告側、高橋、土橋、谷合の三弁護士
被告側、野下法務省訟務課付以下、外務省関係者等9名

 裁判官より被告側に対し、被告側 準備書面(5)について陳述を確認した後、原告側にたいし、「反論があると考えるので、書面で提出するよう」指示。
 原告側よりこれに対し発言を求め、「今回、立証作業資料として提出された書面は、お粗末で、まともな物と云い難い。多くの書面の中で一番チンケなものとして歴史に残るだろう。前回法廷での裁判官の指示に従ったものとはとても考えられない。書面のフォームをただ単に形を変えて提示されたものにすぎないと云える。この点について、裁判所の見解を頂きたい」と陳述。
 裁判官は、「今回の書面の提出で、作業としてある程度 進んだと思う。十分、不十分の見方はあると思うが、それは中味の議論の問題であり、ここがこうだからこうだと書面で反論を提出してほしい」と再度、指示。
 原告側は、さらに「外形的事実というものはこのような物でないはずだ」と主張。
 裁判官はこれに対し、「外形的事実としてこういうものが提示された。本来、具体的なものが出せるはずなのに、どうしてここ迄なのだというものを出してほしい」と指示。
 次いで、裁判官より被告側に対し、「報償費の定義について確認したい」として、「報償費は、情報収集等及び諸外国との外交交渉等、外交関係を有利に展開する為に使用する経費であり、国の事務又は事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の状況と任務に応じ、その都度の判断で最も適当と思われる方法により機動的に使用される経費としているが、これ以外の使い方はないという事で考えてよいか」確認。
 被告側より「一切、以外には使ってない」と回答。
 裁判官はさらに、「機動的に使用されるということで、他の費目からの使用もあるのか」「定義で、情報収集等などとしている「等」は情報収集およびこれに関連する業務という事でよいか」確認。被告側より「そうです」と回答。
 裁判官「報償費は専ら定義された使途に使っている。従ってA~Cにカテゴライズ出来るということだが、上記使途について、何らかの規範があるのか、或いは運用によるのか」確認。これに対し被告側より「運用により管理している」と回答。
 裁判官から被告側に対し、「今回陳述した外務省での報償費の使い方、運用について、早急に書面で出すよう」に指示。
 次回は11月25日 10時30分、606号法廷。
 原告側、反論書面 提出期限、11月18日を確認


コメント

 今回、提出された被告側、立証資料「外形的事実等」は対象となる報償費支出1069件について、1069件の個々の決裁書にどんな項目が記載されているか、その項目名(作成者、決裁者、起案日、決裁日、支払い先、使用目的・内容、支払額等)だけを一覧表に並べただけのもので、その内容は業務遂行を阻害する、又は支障を生じる怖れがあるとして一切開示されていない。これでは単に「決裁書があります」と云うだけに等しく、全く立証作業資料として値しない。
 この対応は情報公開法の精神を全く無視したもので、これを見ると外務省の考え方が大きく国民の考え方とかけ離れているのでないかと思えるのだが?
 また、これだけの物を作成するのに3ヶ月(期限を2ヶ月延長)もかかるのも理解に苦しむ。(民間なら10日もあれば十分でないか)全省庁を対象に実施した情報公開度ランキングで2年連続の最下位も、全く意に介せずというところで、こうなれば、裁判所の勇気ある判断に期待するほかに途はない。

今西元郎 記