地方議員全国野球大会
ー最高裁違法判決(1月17日)への声明文ー


声   明


 本日、最高裁判所第2小法廷は、「都道府県議会議員全国野球大会(以下野球大会という)は、議員の公務とはいえないから、その参加費用を公金から支出することは違法である」旨の判決を言い渡した。
 同様の判決は、既に札幌・秋田・山形・福島の各地裁で確定しており、大阪では支出の違法を前提とした和解が成立している。
 また、高知・三重・島根の各監査委員も「公金支出は違法」との判断をなしている。しかし、新潟・大分そして本件の3県での訴訟はいずれも各高裁で勝訴したが議員側の上告により最高裁に係属していた。
 本日の判決は、最高裁判決としては最初のものであり、他の2件についても本件と同様に「野球大会への公金支出は違法」との判決がなされるものと予想される。

 本判決により、約半世紀に亘り続けられてきた、野球大会は終焉の時を迎えた。悪しき伝統に、世論と最高裁が引導を渡したと言って良い。
 昭和24年以来、平成9年まで莫大な税金を費消し、大勢の都道府県職員を使役して行われてきた野球大会が、議員の「お遊び」でしかない事は、明白である。
 それにも拘らず、「野球大会は重要な公務である」「だから、参加費用の税金負担は当然」と、強弁し続けて最高裁まで争ってきた議員の姿勢は、行使の金のケジメの欠落だけではなく、議員としての驕慢さを示している。ひいては、日本の民主主義の未成熟さをも露呈したと言っても過言ではない。

 私達は税金の無駄遣いに目を光らせてきたが、野球大会はその象徴的な事例であった。同様の事例は未だに多数存在するものと思われるし、現に市町村レベルに於いては、本件と全く同様の野球大会が形を変えて現に行われている。
 この判決を契機に、一層税金の無駄使いに目を光らせると共に我国に於ける豊かな民主主義の発展のため引き続き運動を続けていく所存である。

2003年1月17日

徳 島 野 球 訴 訟 弁 護 団
全 国 野 球 訴 訟 弁 護 団
全国市民オンブズマン連絡会議